「物語ウクライナの歴史−ヨーロッパ最後の大国」黒川祐次

そもそも、ウクライナというのは旧ソ連の主要国で、もう少し具体的なことを言うと「かつて核兵器が配備されていた」4ヶ国のうちの一つ。
(他はロシア、ベラルーシカザフスタン。)
肥沃な土地とヨーロッパではロシアに次ぐ国土の広さから“穀物庫”とも呼ばれ。
まあどちらかというと、国内を通り西欧とロシアをつなぐ天然ガス・ラインの揉め事のほうが日本国内では名前を聞くことが多いかなぁ、という気もしないでもないですが、少し古い事件ですと、チェルノブイリ原発事故も国名では報道されていませんでしたがこの地域。
ロシア、ベラルーシとは言語の近いスラブ系で、なんでも≪キエフ・ルーシ大公国≫をその祖として考えた場合、むしろウクライナのほうがその主筋に当たるのだとも。
(ただし、ロシアの首都モスクワに繁栄が移っていったのも事実ですね。)
んでまあ、隣国ベラルーシなんかもそういう傾向があるそうなのですが、この国の歴史がロシアの歴史として語られるということも少なくないのだとか。


この本ではキエフ大公国(上と同じ、こうも言うそうです)、この国を通り過ぎて行ったアジア系のフン族、定着した後滅んだスキタイ人の文化、その後発達したり時に途切れたりする軍事共同体であるコサックの文化や王国、逆にアメリカに移住したウクライナ人までをカバーする、ということが最初のほうで断られていまして。
あと、結構比重が大きかったのはハザール帝国かなぁ。
(歴史上数少ないユダヤ教を国教として定めた国家、ていうか、ユダヤ人の系譜のほうで聞いたことはあったんですが、地理的にウクライナにあったんだなー。)