『建築の世紀』1932年 都市生活のはじまり(旧服部時計店、旧銀座アパートメント)

どちらも銀座という街が今これから発展しようとする時期に出来て、持ち主名前用途などは変わってしまったものの、今もなお生き続けている建物ですが(まあ、この番組の場合もともと使用率半々ってところだけどね)。


“旧服部時計店”は丸いカーブに添った建物の形。銀座で一番目立つとされ。
夜間はライトアップされ白く輝き、建築当時からの文字盤を使った時計(中身は変わっちゃったわけですが)がでーんとてっぺんにそびえているわけですよ。
「近くで見ると格好よくないのよね」と母上はいつも余計なことを言うわけですが、確かに遠くから全貌を眺めるというタイプの建物だという気はします。現在は和光、和光ってデパートだったっけ? 和物中心の売り場を展開されているっぽいですが。


“旧銀座アパートメント”は現在奥野ビルと呼ばれ。
なんというか、使いにくいだろうに塗装や内装も剥げてるってのに現代芸術家などと言われる人たちが安くもない家賃を払ってアトリエにしているらしく。でも正直、こっちのセンスは(服部時計店はいいと思うんだけど)、なんかこう、一回り廻ってさらに古いというか私の世代にはピンと来ないんじゃないかなぁ。
一言で言うとあの辺、洋物への憧れを持ってるんだけどバッタ物で代用、みたいな。
いやなんか、言い方キツいですかね。でもモルタル打ちっ放しとか、乾いた土地でならまだなんとかなるのであって日本でやると間抜けな結果になると思うんですよ! とはいえな古いから年季入っちゃった、剥がれるまんまに任せるよ、という意気はまた別の話。
ま、また30年後にでも、この時期の建築なら長持ちするでしょう。