『建築の世紀』美は機能に従う(国立天文台、旧高等商船学校)

国立天文台の“第一赤道儀室”と“アインシュタイン館”。
旧高等商船学校の“第一観測所”(こちらも赤道儀室)(天体の日周運動に合わせて望遠鏡を動かせるように設置された架台だとか)、どれも国の有形文化財に登録されているようなのですが、建築としては「機能に従う」もなにも、建物全てが一つの目的のためだけに造られているわけだしなぁ? とちょっとピンとこなかったんですが。
アーチを描く屋根とレンガ造りの壁が可愛いと言われたらそう見えないでもなく。


しかし、やっぱり必要であるものを美に分類する気持ちがわからないw
とはいえ、解説者の人と違うことを言っているというわけではないんですよ、むしろ全く同じことを考えていると言ってもいいのですが、その結論として「美」を感じるかどうかで別れてしまうという。


天井が球体を半分に割ったような形であるのは赤道に沿っての自然なもので。
そこを分けて望遠鏡が顔を出し、商船学校にあったのは要するに、航海術と深い関係があるからなので(星が唯一の道しるべです)、外側のレンガだって当時は壁の緩いカーブ考えるとごく当然な選択で(建物も円形をしているのが当然好ましい)。
建築様式がどうの、装飾がどうの、と言い出したら作った人たちに頭ぽかん、と叩かれてしまうかと思われるんですが、出来上がったそれを必要がなくなっても保存し、眺める分にはもちろん構わないんじゃないでしょうか。
ル・コルビジェも言ってたそうですよ、必要な物以外建築にはいらん、と。
必ずしもそれに賛同するわけではないんですが、それが一致する例ではあるのかな。