「マーシャル・プラン」永田実

なんといいますかこう、NATO北大西洋条約機構)でも同じような経緯を見たような気がするのですが。アメリカの対ソ連邦への“敵意”は要するにイギリス(もう少し正確に言うとチャーチル)の意向であって、米大統領ルーズヴェルトにはその意思はなく。
彼の病死によりその地位を引き継いだトルーマン(副大統領から昇格)は若くてチャーチルの影響を受けずにはいられなかったらしく。
(まあ、この頃の政治家としては間違いなく欧州最強でしょうしね。)
とはいえむしろ、≪朝鮮戦争≫以降はアメリカが主導となっていたと見ても良いということになるのかなぁ? ある意味イギリス側の予言が当たったというか。


まず先にトルーマン大統領が発表した“トルーマン・ドクトリン”が存在し、それとほぼ同じ計画が、この先行したドクトリン(処方箋という意味だそうです)から反共色を抜いて発表されたものが経済学者の名前を冠したこの本のタイトル、マーシャル・プラン。
要する大戦によって経済的に疲弊した欧州の地に行われた経済支援策なんですが。
マーシャル・プランそのものには盛り込まれていなかった側面、欧州の国々の「共産化」を食い止めるために行われたのだろう、ということを説明していたのがだいたい前半部分(でも、なんで表現軟化したんでしょうね? ソ連の側から蹴って貰おうとしていたのだ、という推測もまあ正しいと思いますが、正直かなり路線変えてるよなぁ)。
後半部分はなんというか、共産主義/社会主義の非難というか批判というか、バルカン諸国を歩いてうっとり、ヨーロッパ文明だよね、ソ連の支配下で疲弊しているべきじゃない、とか力説していたので、ちょっと内容は純粋に薄いかと思います、そこは欧州の火薬庫だと思うんですよ(正直、見事にソ連崩壊後のユーゴ紛争の地ですねぇ、ははは)。