「テンプル騎士団」レジーヌ・ペルヌー

とりあえず、個人的には≪十字軍≫というものが昔から嫌いで仕方ないんですが(テンプル騎士団は平気ですけどね、顛末アレだし)、この本を読んで日本にも宗教騎士団あったらいいんじゃないか、とは素直に思いました、あるといいんじゃないでしょうか宗教騎士団。
一言で言うと、確かに完全な規律までは望めないものの。
正直、そこらの盗賊と変わらないような傭兵集団とは比べ物にならないほど真っ当(せいぜい悪くて普通の青少年程度だと思います、客観的に見て、若いしな)、報酬を目当てにせず、土地が寄進されればどんな片田舎でも厭わずその土地を開墾する純粋労働力集団。
ええもう、十字軍以降も彼らが膨張し続けた理由がよくわかります。
多分時代的にも、戦争が続き、土地が荒れるようなこともあったんじゃないでしょうか、自分の土地を管理できなくなった地主がそれを託すのに、これ以上好条件が望めるか、日本の山村にも来てくださいよ、歓迎だよ(どさくさ)。
だってその権利あるじゃん、なにが一体悪かったのさ?!


という体裁の本ではなかったんですが、この人たちがどこで道を踏み外しちゃったのかなぁ、と胸を痛めていたら、いきなりフランス王に起訴されました。そりゃ、その頃には人数多かったので変なのもいたかもしれない、しかし、この集団が裏で、ということは誰も思わないだろう、ちょっと豊かすぎるかも、という程度の反感しかないだろう。
(イングランド王は真っ先に咎め、民衆も同情的だったそうですよ。)
が、騎士団長の呪いの叫びを受けて、フランス王(王朝ごと倒れました、あはは)とローマ教皇が一年未満で続けて亡くなられたため、うんまあ、今のような秘密結社の代名詞みたいなことになってますが、なんという踏んだり蹴ったり。酷いよ。