『パール判事は何を問いかけたのか』−東京裁判・知られざる攻防

私長いことこのパール判事という人のことを誤解してまして、いや、東京裁判と結び付けての存在だということと、ある意味で中心的な役割を果たした人だということは当たってるといえば当たってるんですが、なんというのかかなり反逆的な方だったんですね。
というより、イギリスがドイツに対して作った方程式を崩さないよう。
裁判を行うよりも前、最初から結果が決まっていた裁判であったのだと。


そんな中に遅れて到着したパール判事が(任命からぎりんぎりんでしたとも)、インドという、正直強い後ろ盾ではないのであろう、そして日本との縁も良い方向でも悪い方向でも特にないのであろう状況の中、多分正義のために決然と向かって行き。
それは単に隣にいただけの人にまで伝播し「親父はあの裁判に行って人が変わったね」とまで言わしめたというなんかいい感じの話です。イギリスの方はお気の毒でした。。。
いや日本人としてはパール判事を応援すべきなんでしょうが。
「侵略戦争はどこの国がやっていようが悪いもんは悪い」「けれど、戦争犯罪の規定がされる前に行われた罪に遡ってその裁きを行うことは許されない」という、ある意味で国を反映した強い意志、シンプルな正義だと思うのでパール判事
“悪役”を担わなくてはならなかった、というのは辛いかなぁと。
ドイツのナチスを断固として裁かなきゃならん、というのは完全に打算だけでもないと思うんですよね。戦犯として訴えられた人らはまた別の話であるし。


多分ある意味で、ありふれた正義だと思うんですよね。この人って。
でもそれが一番難しいことなんでしょうね、ルールを守るということが。