≪長野建築ツアー≫#1 安曇野ちひろ美術館(松川村・内藤 廣氏設計)

デザインのコンセプトはと聞かれた時だったか「地下に埋めたい」とわりと真面目に答えてられたのは、大変に風光明媚な奇麗な土地だったからなんでしょうが。ちょっと高台に位置していて、高台の下から見ると背景に山があり。
まあ、その気持ちがわからないでもないけど「地下は高いので」というのが本音でしょう。なのでせめて個人の住宅のサイズを横に連ねたような建物を幾つか並べ(上手いことくっ付いてて接続部分はわかりにくいんですけどね)、全て平屋(公式Web)。
屋根の形はちょうど山と重なるように作られ、色は夕暮れに染まる山の色。


そして屋根の端を直接コンクリートの壁に接合してしまうことで、屋根を押えているのだというウルトラC工法って言ってるのは私に建築の基礎がないのでよくわからないんですが。床は土地のカラマツで、よく反る木なので業者さんが一年一回手で押えて直してくれているのだというかなり贅沢な話。
東京の岩崎ちひろ美術館程度の集客を見込んでいたらその4倍。
年間20万人の来場があったのはかなり計画外だったようで、数年後に別館が出来ましたが、気持ちはわからないでもないですね。入場料800円だかなんですが、ここなら出してもいいかもって思うし。
エントランスに入っていくとその目の前が中庭になっていてガラス張りの向こう側に、美術館の中がほとんど全て見えるようになっていて、狭いようにも思えるんですが中の展示スペースは数が多く。絵を飾る展示スペースを完全に隔離することによって、それ以外の部分に絵を痛めてしまい兼ねない光や風を取り込むことに成功。
冬季は閉館するそうなんですが、結構本気でお勧めです。