「民鉄経営の歴史と文化 東日本編」青木栄一/野田正穂/老川慶喜

えーと、関東大手私鉄8社(東武/東急/小田急/京急/京王/西武/京成/相鉄)と、ちょっと事情持ちの準大手、京成の子会社である新京成をそれぞれ章立てして扱った本で、個人的にはそれぞれ内容が短かったんですが、かなり内容が濃かった気がします。
ただ、京王の章でかなり別系の資料との食い違いが見られたので、他の章に関してもどの程度の妥当性があるのかが私にはわからないかもです。
とはいえ、東武西武のグループ形成なんてのはわりともともと有名ですし。
東急も今更、小田急に京急、相鉄なんかは大東急絡みが主だったので知られてますし。
(京王も大東急の一員ですがここはちょっと戦前の規模が小さいのでわかりにくいみたいです、私がある程度読んでるのも全部資料元ばらんばらんだしなー。)
京成に関しても、ここまで派手に周辺とドンパチを繰り広げていたらさすがにそうそう勘違いとかもないような気もします、、、生まれた時から併走路線というのもそれほど珍しくないのかもしれませんが、駅作っても延伸しても毎度争いって。


なーんとなく時代順に並んでいる風情ではあったんですが、相鉄は戦後に至るまでほとんど経営状態が安定しなかったところを東急系の傘下となり、独立したものの路線が一部国有化されてしまい(相鉄は神中鉄道と相模鉄道の合併した会社で、国有化されたのが元相模鉄道系の路線)、というとんだ不幸体質。
最後の新京成に至っては軍用路線の転用として京成に買われ。
なにかこう、間が悪いというのか土地に問題があるのか計画がいまいちなのか、高度経済成長期まで生き延びたのが不思議なくらいですが、正直無事で良かった。
鉄道会社ってやたらとドラマチックだよなぁ、手に汗握っちゃったよ。