「関西私鉄比較探見」広岡友紀

正直まあ、高く評価している場合の「ここが直ってくれればな」という指摘ならばともかく、そうでない時にはそれほど批判に費やさないほうがいいのだろうとは思うというか、この本に限らず関東から見て関西私鉄との比較を書いているとわりと冷静で面白い内容なのだろうと思うのだけれども、関西から見ての関東私鉄との比較はなにか釈然としない。
この人の場合は単純輸送量が違う、という点についての配慮をしないと意味がないんだよ、と言い放ってくれている分、多分公平なんだろうとも思うのだが、うーん?
ひょっとしたら同じ著者さんでも関東篇だと違うのかな、とは気になるような。
ただ、読みたいかというとそれほど読みたくもないんだけどもね、関西私鉄に関してはほとんど手を付けていない状態で、まあ、それだったら総括的に扱われている本、と手を出したのだけれども、なんか全体的のつながりが薄くて内容がばらばら。
それぞれの鉄道会社の歴史がJRを含めて、かなり有機的につながっているのだということは前から聞いていたので(関東の場合は“大東急”辺りを除いてしまうと多分そうでもないんだと思う、周辺との競合が珍しい側として上げられているからなぁ)、出来ればこの手の本で扱っていて欲しかったのだけれど、ちょっと主旨が違ったようだ。
なら、なにを扱っていたかというと、、、特徴的な車両と沿線案内と。
あとは、関東私鉄との比較? 阪急と東急の創設的人物の(若干違う)師弟関係についてはよく知られてすぎているし、他の比較もなんか、面白くはないかなぁ。


いやいやいや、さすがに台車がほとんどの比重を占める、という悪い癖もそれほど出ておらず、悪くはなかったとは思うんですがこれで興味沸くかっていうとなぁ。
どうせなら近鉄と東武の比較見たかったな、近い比較じゃなくて違い比較でいいのに。