「この人この世界」長寿企業は日本にあり #2 「虫」の戦略

そういえばよく考えてみれば天然の“ゴム栽培”も自然破壊を伴わない、とされていたんですが(産業の歴史の中でねー)、どうもロウも同じく樹液が元になっているようなので社長さんがふっふっふ、と胸を張るのも無理はないのかもしれないな。
ちゅーか、ハゼの実(古来の製法、木ロウというそうな)から始まって、ずいぶん天然ロウってあるんですね、キャンデリラ(チューインガム)、米ぬか(床ワックス)、カルバナヤシ(化粧)、蜜ロウはなんでも蜜蜂の巣から取るそうで。
最後のものは口に入れるもなにも食品の形成に使われてるのだとか。


セラリカNODAさんは現在12代。
もとは木ロウを作り続けて幾星霜、古くは相撲などの鬢付け油、近代にはポマードへと転換していたのですが、もっと安価な商品が海外から入ってきて存亡の危機に。
んでもって、11代の時から新製品開拓を始めたらしく、木ロウを絞る技術を応用してのガーリック・オイルの開発も行ったそうなのですが、12代社長が始めたのはインク印刷技術への参入の模索(ほとんどのインクの定着のため、トナーに使われてるそうです)、そしてそこから話が発展し今度はカラーインクの色を鮮やかに! という目的のための新しいロウを世界を飛び廻って探し始め。
植物系は探しつくしたのちについに発見されたのが害虫、寄生虫であるはずのカイガラムシの分泌する純白の巣を精製することによって透明に近い“雪ロウ”を見つけ出すことが出来ましたよー、とそんな話。
これがまあ、もともと害虫だとされてなんの利益もない、とされており、目ぼしい産業もないのだという中国の山間部での大々的な採取を行うことにしたらしいのですよ。