「攻防メガ百貨店」日本経済新聞社

個人的に私はあまり伊勢丹(大雑把に百貨店の雄)が好きではないんですが、いや、店舗がとかではなくてこの手の百貨店関係の資料を読んでいて、なんとなく違和感があるというか、ただ、実際に実績を出していることもあって褒めちぎられていることがほとんどで、私も別にそんなに詳しいわけでもなし、巨艦店の切り回し能力に関して疑問があるとかそういうことでもないんですが。
2008年刊のこの本の中で、むしろ「三越を救う」という形での伊勢丹との統合話の中で伊勢丹の側の構造欠陥のような部分にまで触れていてくれて、逆に納得したというか、自分の感じていた違和感の原因がわかったような気がするのですが。
消費が下火になり、年齢層が高いということがわかっていただろう北海道、北九州に自分の得意とする若年齢ターゲットの巨艦店を作ろうとして失敗、というのはなんというのかなぁ、、、自分に自信がありすぎるというか、はっきり、融通が利かない、と形容しても良く、だからってそれに向いた土地での運用実績まで否定することでもないんですよね。
そうして伊勢丹と比べてみると、三越は地方の小型店を実直に黒字で運営している。
経営統合しなくてもいいんじゃないか、というのには賛成しませんが(有利な立地で利益出せない事実はあるw)、伊勢丹との関係に上下はなくていい気はするかなぁ。


基本的伊勢丹三越の経営統合話が主軸となって、同じ老舗と辣腕という組み合わせの松坂屋と大丸の話や(ここは実に良い関係)。伊勢丹が今まで率いてきた共同購入システムが、三越という毛並みのいい相手のために動揺しているとかw
なにかこう、巨大企業同士というより、個々人の人間同士の関係みたいで面白かったですね、愛人たくさんいた伊勢丹が正妻一人に絞るみたいだったなww