「東京・市電と街並み」林順信

市電ってのはまあ、東京以外にも京都だとか広島だとかそういう都市にもあるのですが、基本的にはその土地のものは単に「市電」と呼ばれるんじゃないのかなぁ? どうしてなのかはわかりませんが、こう呼ばれる場合は全て路面電車。
こんな名前なので公営なのかというと、必ずしもそうでもないこともw
東京市電の場合はもともと明治15年に馬車鉄道として始まった会社が電車の登場の時代を経て同じ路線内での路面電車の運用を始め、明治36年から翌37年までの間に相次いで登場した3つの私鉄が元になっています。
(一旦三社にて合併したのち、さらに東京市が買収。)
第二次世界大戦の末期頃、戦意高揚の目的でもって東京市が東京都へとなった時点で「都電」と呼ばれることになりました。しばらくは市電扱いだったみたいですけどねw


わりと路面電車系の本というと都電時代、戦後がどうしても主になるのですが、写真を主にするとそれも仕方のないことで、この本で主に使われていたのは明治の風俗を伝える東京の石版画(当時は額絵と呼ばれたのかな?)。
最初漠然と見てる時はなにがなんだかわからなかったんですが、今も都電荒川線として残る当時の王子電車(三社以外の私鉄)が家と家の隙間を抜けていくところや、私鉄時代に街鉄線という愛称を持っていた路線の独特の石畳のような路線などが見分けが付くようになると、それだけのことなんですが、なかなかにこれはこれで楽しい。
あー、市への買収後もやっぱりそれ以前の特徴を残していたんだなぁ。
巻末に付いていた外濠線(三社の中で最大、最後の開業)が街鉄線と三度もすれ違ったり、共用路線煩わしー♪ とか歌っててちょっと面白かったです、酷いなお前ww