「悪名高き皇帝たち(2」ローマ人の物語18、塩野七生

馬鹿だった、と言い切ってしまうには人間としての一線は越えていないように思いますし(いやまあ、皇帝としての一線はぶっち切っていたとは思いますが)、しかし、塩野さんが言うように「頭が悪くなかった」とも思いにくいんですよね。
ちゅーか、シンプルな「是」と「否」しかわからなかったんじゃないかなぁ、この子(享年時点で私より年下ですよ)。
でもまあ、愛らしさだけで家族を救った1歳時点のあだ名「小さな軍靴」=カリグラと呼ばれるのが嫌だ、というのはなんとなくわかるのですが、ある意味、ほとんどそのままの人生だったのかもなぁ、もう少しでも感情を押さえられていたら、小さなつまづき程度ですごせていたようには思わないでもないのですが。
ティベリウスが財政を引き締めまくり、人気取りの政策を全っくしなかったのである程度の緩和は実際必要だったと思いますし、実際ある程度は受けてたわけですし、で、どんどん人気が上がっていったので天狗になって自分を神だと自称を始め、となるともはやなんというか、なにか失敗っていうかなぁ、なにをしてしまったか、という話ではないよね。
人気取りのために税金を、というのはもはや私的な搾取にしか見えないよな。


二代めのティベリウスと(最期数年の失政、ちゅーか放置プレイかなぁ、これ)、三代皇帝“カリグラ”の短い治世、、、っちゅーかなんちゅうか。
約百年後のタキちゃん(止めれ)の本が散逸したため、ここで使われた証人はユダヤ人のフィロン、というか、こういう人がローマの元老院にいたらなにもティベリウスも引き篭もりなぞしなくて済んだかなぁ、とも思うのですが。
ローマの空洞化って経済だけでも、気のせいでもないよな。