「死者の季節(下」デヴィッド・ヒューソン

ニック・コスタの父親は共産党のちょっとした地位にあった政治家で。
二人の息子と娘は彼が一から作り始めた農園で暮らし、カソリックの宗教教育があったために学校にも行かず、家の中で本を読み、上から弁護士・刑事・画家になったそうですよ、見事にブレっつーものがないですね、いい父ちゃんだ。
で、そこに迎えられたサラはどうしてもそうは見えないのに複数の男性と関係を結び。
その相手が次から次へと凄惨な死を遂げる、という展開。
そんな中で唐突に現れたのが枢機卿であった人物と、その彼女との怪しげな関係。
どう見ても暴力行為を繰り返す異常者であるのに、着々と出世を遂げる奇妙な司教と、どうも彼が利用されているらしい節、なぜか「生意気」なコスタ刑事に接触してくるヴァチカンの警備責任者(実際にはどうもダーティー・ワークに関わっているっぽいなー)。


これら全てが絡み合って、複雑な事件模様を描き出す、、、んですけど、まあその辺の説得力に関しては正直いまいちだったかなぁ、という気はします。ただまあ、2作めと同じで作中の人物もなんとなく釈然としない感情を共有してるようには思えるので。
その辺が致命的、とは思えない理由なのかもしれませんね(もちろん個人的に)。
サラとコスタが少しずつ絆を深めていく中、コスタは犯人に襲われ負傷、その療養中にコスタの相方だった刑事が犯人に射殺、正体が判明し、目的もサラへの執着だ、ということもわかったのに犯人は逃げ回り犯行が継続され。
そんな中で明かされた衝撃の過去と関係が! というのはなんとなくですが、迫力がなかったような、いや、すみません、だって今までの汚職の現状見てますし。。。
あと結局、殉教者どうこうってあれだよね、自己満足だったってのもちょっとなぁ。