「日本の鉄道創世記−幕末明治の鉄道発達史」中西隆紀

この本の中で扱われていた“第2次私鉄ブーム”というのが個人的には第1のほうに分類していたもので(でもよく見ると年代つながってるよね)、あ、いろんな別け方があるんだなー、というのが興味深かったんですが、えーと、とりあえず本の中では東海道線作ってました、あと日本鉄道がかなりきっちり来歴が語られてました、主に資金の流れとか。
複数の見方があるから全部紹介しとくわ、というのは鉄道の本だと正直珍しい。
実は半官半民の日本鉄道よりも東京馬車鉄道のほうが早いんだよね、ということも、あくまでも分類という視点からですが述べられていて。
電化に関してはあんまり拘ってなかったかな? 路線の有無を重要視してるみたい。
路面電車(というか馬車鉄道も含めて鉄道以外)と鉄道をある程度対等のものとして扱ってくれてる本って少ないのでありがたかったなぁ、いや、重要性が劣るのは別にいいんですけど、当時数百メートルしか離れてなくて時期がほぼ前後していて対策立ててるらしいのに一切触れてくれてないってのは結構あとから知ると複雑な気持ちになるのでw
その馬車鉄道と日本鉄道と現存する阪堺鉄道路線と並べて「どれが一番早い私鉄でしょう?」とかやってる体裁だったんですが、うん、この書き方わかりやすかったなー。定義によるよね、とか言い様がないんですけど、他の本一つずつしか書いてくれないしね。


あと、イギリス一辺倒からアメリカからも技術が取り込まれ、さらに九州がドイツ式を選択して少し影響力を弱めようとした、という流れなども、えらいこと理解に時間が掛かりましたが、この書き方がありがたかったような気がします。
まあ実際の歴史が長いんだとしょうがないよな、日本発のゼネコンとか、北海道や東北、九州などの展開、東海道建設史など、多分濃くはないけどわかりやすいのが大きいよなぁ。