「山手線歴史散歩」史跡をたずねて各駅停車、岡崎柾男

面白くなかったかというとわりと面白かったんですが、じゃあなんの本だったかと聞かれると困るんですが、そもそもそれ自体が「山手線」の最初からの性質と言ってしまえばそれまでというか、駅単位で史跡を語るよ、と言われてもなぁ、江戸時代からの歴史の中でどこを通ってどこを通らないか、というくらいの区別しかないというか。
この本を貫く統一性があるかと言ったら、正直あっても困る気がします。
どちらかというと前に読んだ同じシリーズの都電荒川線の本と同じく、史跡そのものよりも伝説のほうに比重が置かれているなぁ、と思ったんですが。
なんでそうなるかというと、例えば太田道灌に山吹の枝を差し出して(なんか和歌になぞらえて「蓑がなくてごめんなさい」みたいな意味らしいですw)のちに城に呼ばれ、愛人になったという紅皿の話にしてからが2箇所で関わるというか、これ姉の欠皿と話が逆転してるバージョンもあるのかw 正直大変曖昧だよね。
挙げ句の果てに、有名なんだけどこれ元ネタあるけど史実じゃなくて当時流行った講談なんだけどね、という話も出てきたりして、曖昧通り越してフィクションなんですが。
こういうものに関しても史跡が残っているのは実は世界共通です気にしちゃいけない。


振袖火事に関しても、なして火元とされた神社がお咎めなしなんじゃい、というレベルで地味に伝説どころじゃない。正直駅ごとでこことここを廻って、隣駅から10分くらいでもあるんですが日を変えたほうがいい、とかアドバイスがあるのですが頭に入らないw
あちらには数々の人妻と浮き名を流した元役者の美僧、こちらには自分の夫を毒殺しようとした稀代の悪女、そちらには数々の男に望まれた陰部を保存したい、とまで言われたという波乱の生涯を送った女性、て、よく考えたらゴシップ率高くなかったかww