「キューバの社会主義(下」P.M.スウィージー

というわけで、いいこと尽くめだった上巻に比べ、下巻の展望はまだまだ見えず、「サトウキビの機械収穫」が可能になったという部分に関しては掛け値なしに希望としていいとしても(植え付けよりも収穫が大変なのはわかるんですが、植えすぎて収穫されずに腐るしかなかってのは;)、そもそも刈り取りの人手も見込まずに植え付けをしてしまう、というのは国土単位でやっていたらそれは確かに痛手だよなぁ、というか。
社会主義国の全てで導入され、社会主義国の全てで多大な弊害を出している“官僚制度”をそれでもやっぱり受け入れるしかないというか(そして弊害が)。
そもそも、革命前に労働力の無駄遣いがあったからこそ最初上手くいったんだよね!
という指摘に関しては、これは好意的で冷静な第三者以外が言ったら角が立つというか、さすがに民主主義の国で言論の自由があっても内心に留めておこうよと思うというか。
(仕事がないにもほどがあったそうですよ、ブルジョワに関しては、革命前も革命後も、亡命などは別にして、それほど立場に変化があるわけではないようです)(ただし、既存の資本を元手にした、様々な試みへの担い手になってはいるわけです。)
(今の政府はそれに頼らざるを得ず、彼らは彼らで利益のために行動します。)


ある意味、この方々、この本の著者さんたちも含め欧州の国の研究者などがキューバに興味を示す理由もわかるというか、これだけの批判を言う他国人をも受け入れ、その指摘に(全てではないにしろ)耳を傾けるのならば、それが悪いことのわけがない。
金はない、人はいたけど使い切り、アメリカには経済封鎖をされ、ソ連邦等々手は貸してくれるものの(アメリカの手前)、微妙にあてにならない。
でもまあ、土地は豊かだし、人はいるし、なんとかなるのかなw