「徹底批判 G8サミット」ATTACフランス

こう言ってしまうとなんなのだけれども、正直いまいちな内容で、なんというのだろう、とりあえずこの本に書いてあることが全て本当だとしても(そこを疑ってるわけではないんですけどね、ただ、客観性が高いとは言いがたいとも思っているのでなんとも)、「G8」を批判したいんだか、G8に属する国を批判したいんだか。
下手をすると民主資本主義を批判したいんだか(まだこれはいいと思います、確かにサミット体制が体現しているのは資本主義の本質だし)、物質文明を批判したいんだかわからないというのはさすがにどうなのかと。
例えば国連・安保理で否認された旧ユーゴ爆撃を、G7(当時)の決議によってNATOに行わせた、という一件が存在するのですが、これはサミットそのものの越権行為として、世間一般でも非常に評判が悪かったことなんですが(繰り返されはしなかったですし、かなりここ単独で論じられています)。
この一件とスイスに本社を置くノバルティスファーマ社の遺伝子組み換え作物(G8サミットへの反対運動としてなら、確かに事実なんですが)、関税免除地である“タックス・ヘイブン”やマネー・ロンダリングへの怒りを同列に並べられてもなぁ、というか。
いや。一個ずつなら全然問題ないと思いますし、G8との関わりもあるんですが。
ただ、そういう論法だと「関係しないことが存在しない」んですよね、うん。


他に、反対運動から逃げ回り僻地僻地へと行くサミットそのものや、美辞麗句を並べ立てても全く効果がない各種の誓い、反対運動への弾圧なども扱われていて、それ自体は面白い内容ではあるんですが、まー、G8の基本は「G8内部で争うより若干マシ」なので、ぶっちゃけなにか期待するほうが間違ってんじゃないのかな、とかちょっとね。