「スペイン「ケルト」紀行−ガリシア地方を歩く」武部好伸

一言で言っちまいますと「ケルトっていうよりポルトガル?」というのがどうも著者さんの印象だった模様で、ものすごく申し訳ないながら、スペインとポルトガルでそれほどの差異があるのかー、というところからしてまず驚きの対象だった自分に特にそれ以上なにか言う権利があるような気はしないのですが。
血は混じっていることは確かだし、おぼろげながら自覚もないでもない。
とはいえどうも、完全にローマ化されてしまい、その後実際に血も薄まっていってしまったのではないかなぁ、ということを(フランスのブルゴーニュなどはケルトの血が混ざり続けたために、どうも濃密なケルト地域のようですし)。
むしろ、著者さん自身もここの存在を知らず、とあるケルト系各都市のワッペンを見ていたところ一箇所知らないところがあり、それがこのスペインの地、ガリシア
どっちかというとぼけー、とした感じの人々が行きかい、言語もポルトガル語と聞き間違えるくらいよく似ており、唯一ある聖地“サンチアゴ・デ・コンポステーラ”には日本人がわらわらといたものの、よく考えてみれば、そこ以外では一切合切見掛けなかったな、ということをしみじみと感じ入っておられました。
(たまにある旅行記のように、同国人を避けているつもりはないんですよね、ただこう、どうも僻地っぽいところに寄ってっちゃうだけで。うん。)


で、最近ちょっとケルト音楽家さんが出てこられまして、他のケルト地域とも活発に交流を始め、そもそも地域の売り自体が少ない地元の方たちも悪い気はしないらしく(つくづく牧歌的です、土地柄が)、そう考えるとケルト音楽も新しいものを取り入れることを拒まず、どこの誰の楽器であれども気にせず、という柔軟なところもあるのかなぁと。