「オランダ紀行−街道をゆく35」司馬遼太郎

司馬遼太郎氏の“街道をゆく”の一冊でぶっちゃけまして、やっぱり情報は古い、でも物の見方そのものは案外新しい、というより我々がまだ「司馬史観」の範疇の中に収まってしまうのだ、と考えたほうが通りが良さそうです、、、というか、かつて鎖国化の日本と西欧で唯一貿易を許されたオランダと、現在のオランダがすぐに意識の中で結びつかないというか、ああ、同じ国だ! と読み始めて気づいた辺り自分でもどうかと思います。
(実際、戦争の前哨の時期くらいに、そもそも交流が細っていたものが完全に途絶えてしまってはいるのですけれども。)


古代ローマ帝国の時代から、海を埋め立て、住む土地の全てを自分たちの手で作ってきたのだというオランダ人(記録に残っているのがそのくらいということなので、もしかしたらもっと昔からかもしれませんねー)。
まあ、そのおかげをこうむってとっても低い“ネーデルランド(低地)”と呼ばれ、その一地域であるホーランドが先に日本に接触していたポルトガル訛りで(hを発音しないことがぽちぽち)転じてオランダに。ちなみに同じくネーデルランドには隣国ベルギーが含まれているそうなんですが、なんか正直仲がいいんだか悪いんだかw
わりと各時代通じて徹底したリアリストで商売人、プロテスタントが生まれた頃に新教に鞍替えし、聖書一冊を船に乗せて世界中のどこへでも。差別がなかったのでユダヤ人も数多くいるそうですよ(しかし欧州の本だと必ずこの話題出てきますよね、いい指針というか、国の状態を計るのにちょうどいいんだと思いますけどね)。
繁栄のせいか大国に目をつけられて戦争を吹っかけられた、というのは本当かな?
現代だと、小国としてのEU牽引国の一つ、という辺りが語られるかなぁ。