「ド・ゴール」G.ボヌール

第二次世界大戦の頃、フランス大陸でドイツ軍に降伏した“ヴィシー政権”(ヴィシーは臨時政府の移った場所の地名)に対し、イギリスに渡り、ロンドンで展開していた“自由フランス”の党首というか、下手すると一人きりだった頃から諦めずに粘っていたのがこのシャルル・ド・ゴール氏、戦争を乗り切って自国に凱旋し。
まあ大雑把に戦後フランスが危なくなった時点で戦後引っ張り出されて大統領就任。
現在もフランスの空港の名前として残っているのは知られているのではないかと思うのですが、あと、有名な件というとアルジェリア紛争の解決でしたっけか、残念ながら、この件に関してはこの本では触れられてなかったんですが(そしてシャルル・ド・ゴール氏の本の中でほとんど触れてませんがな...orz)、かといって第二次世界大戦のみに焦点が当てられているというわけでもなく、ある意味で世に出る以前の変遷に関しての部分が一番比重が大きかったかな、という気も。
(本の中にたびたび出てきた、子どもの頃や寄宿生活の頃に考えた、という事柄に関しての記述は当時のご当人の日記かなにかが元になっているのかな?)


第二次世界大戦のフランスという国の、指導的位置にいて、戦後の強烈な大統領時代の印象でもってなんとなく強い性格を想像してしまいがちではないかと思うのですが、確かに人並み外れて大きな体格と、集団行動から逸脱する、というところはあるものの、わりと内向的というか、言っていること自体はわかりやすい。
第一次大戦の頃に通用した戦略が、すでに通用しなくなっていることを警告し続けたものの、それを信じたのは敵国ドイツだけだったとか、ドイツ軍が来た時にド・ゴールさんの不在を残念がったとか、そんな時代の皮肉さもあれこれと。