「中世ヨーロッパの歴史」堀越孝一

“イギリス”というのはそもそもイングランドからの転用なので(最初に日本人と接触したポルトガル人がイングレスと呼んでいたのだとか)、まあ、どちらを使っても間違いではないと思うのですが、さすがに交互に出てくるってのはないだろうとか。
神聖ローマ皇帝位とドイツ王位を別けて記述するのは、まあ、意図はわからないでもないのですが、一度でいいから説明しておくべきじゃないのかなとか。
ただしこう「フランス」についてはカペー王朝の勢力範囲を指して呼ぶのだ、と大変に細やかで、それ以前は“フランク族の国”でフランク王国なのだそうですよ、ここは正直ほぼ勢力範囲が同じで基本同族なので一番曖昧なんですがw
というわけでまあ、フランスを概ねの主題としている本なのですが、それはある意味でむしろ、我々がヨーロッパと呼んでいるものがこのフランク王国から始まったことによるもので、時代を下りますとイギリス(イングランド)やドイツ諸民族が顔を出し。
要するにヨーロッパの中心というるものに呼応してるのかな、と思えるものの。
ものすごく正直、扱われている物事は精密と思えるものの、網羅されているかというとかなりの抜けがありますよね…。


印象深かった、というか、面白かったのが(どの本にも載ってますけどね、大雑把にフランスの土地をイングランドに嫁した時ごそっと持っていった女性相続人)、アリエノール・ダキテーヌ「むしろ彼女がフランス王を捨てたといってもいい」って大胆な、でも納得w
上の人は英仏百年戦争ですね、ジャンヌ・ダルクはさらっと流し(まあ仕方ない)、ドイツ圏の何度見てもややこしい事情が語られ、イタリアの地、特にシチリアの周辺がきな臭い、面白いと思いますが、まあ、向き不向きはあるなー、無理しないのが良いかとw