「マグレブ紀行」川田順造

マグレブ”というのはどうもまあ、もともと大雑把な括りであるようなんですが、サハラ以北のアフリカの地の(ここまでは確定)、東にあるエジプトとその影響圏を除いた部分かなぁ、と考えてるんですが、そんな見当違いでもないですかね?
(北西アフリカ、という表現をされていたことはあったような。)
で、その地はとりあえず南部のブラック・アフリカと中東から来たアラブ文化の融合圏で、ローマの昔っからヨーロッパの地とも影響が浅くはなく、ご存知の通り近代にはヨーロッパ列強の植民地となり(南部も含めてですが、北部のほうがもとの文化が発達していたと見做され、扱いは若干マシだったかもしれません)、現在はもとの文化圏もまるで省みないそれぞれの支配国の利害のみで国境線が、というそんな土地。
しかしまー、もともと国境そのものがそぐわないんだと思うんですけどね。
この本を書いた著者さんは西アフリカの「文字を持たない部族」であるモシ族との交流が数年来続き、これからもぽちぽちなんかの進展はあるかなぁ、というようなことを言ってるんですけどね(2009年時点ではそれもお変わりない様子)。


でもまあ、ローマにカルタゴ(フェニキア人の都市で農業・海運両方に強かった、というアフリカの国家ですよ)を滅ぼされたのはともかく置いといて、アラブも侵略者っちゃあ侵略者ですしね、地中海という括りにするとヨーロッパとは植民地以前からのお付き合い、そのため、街によってはスペイン人のような顔やイタリア人のような顔が。
そしてどうも、自分たちの文化のまま、好きなような格好をしているのだとか。
そりゃ、明るい幾何学模様と美しい庭園を持つイスラムと、偶像崇拝と狂信の印象の強いキリスト教を比べたら気分悪いのも正直わかるっちゃあわかるんですがw