「ビルマ軍事政権とアウンサンスーチー」田辺寿夫・根元敬

共著で概ね同じスタンスの方らではないかと思うんですが、どうも片割れの方の文章が読みづらい。個人的に前半と後半を入れ替えてくれてたらもうちょっとマシだったのではないかと思うんですが、正直、初っ端からは共感しずらかったです...orz
ちゅーか、アウンサンスーチーさんは確かに“頑強”じゃないかもしれないですが、むしろ宗教家とか活動家とかに分類すべきであって西側の国の腹芸にもさっぱり付き合ってくれることはないんじゃないかしら、と思いました。性急な近代化も非難の対象じゃん。
まあ、だからこそ殺されなかったんでしょうし、だからこそ唯一のミャンマーの人たちの希望なんでしょうが(軍事政権が勝手に名前を変える前の「ビルマ」と呼ぶ方々に敬意は覚えますが、自分がそう呼ぶべきとは思いません)。


現在の国の名前はミャンマー、もとのビルマが文語で、ミャンマーは口語。アウンサンスーチーさんやその応援者の方々は国民の選挙を経ない政権が名前を変えてしまった、ということで元のビルマとして呼び続けているそうです。意思表示の手段ですね。
とはいえ、クーデターそのものは正統なものであったとスーチーさんも認めておられて、選挙きちんとやんなさい! と怒ってらしたのが印象的でした、あ、そうなんですか。もとはイギリス支配で日本軍とも縁があり、軍事政権もスーチーさんのお父さん、「独立の父」アウンサン氏も日本と関係が、今も軍事政権と微妙な関係が続行中だったり。
そしてビルマからの(政治亡命の人に関してはすんなりビルマって言えるんだよね;)亡命者の方らも日本でちょっとしたグループを作っています、難民申請難しいんですけどね、縁があるのでなんとか。全部読み終わってしまえばこう、日本人として、縁のある人間として肩に力が入ってしまうのも無理はないとは思えたんですが。