「アイヴァンホー(上」ウォルター・スコット

大雑把にフランス王とイングランド王(フランス王はさっさと国帰っちゃったけどね)(イングランド王は実際には十字軍から戻っても国には戻らなかったね)の連れ立っていった、というか第三回十字軍。
かつてフランスのノルマンディー地方からの侵略があったノルマン朝を経まして。
この時代には同じくフランス系の王朝プランタジネットの第2代。
実際には特に国にはいなかったんだけどね? とも訝しがられるリチャード1世獅子心王の時代で、まあ、この本の表紙を見た時点でわかる通り、話の中で“黒衣の騎士”として登場している模様(いや国に帰ってやれよ?!)。
支配民族のノルマン人と支配された側の総称であるサクソン人の対立構造も、この舞台となる時代の頃までにはもう少し和らいでいたのではないのかな、というのも実はこの王が国ではめっぽう好かれていたということがその理由となるらしいので、傍から見てると勘違いしてるような気も、しないでもないんですが、まあそれはそれでいいのかな。


話自体は実にシンプルでお姫様が一人、彼女と密かに思いを交した身分違いの青年が主人公で、死んだと思われていた彼が帰って来て、というところから話は始まって、王弟(のちのジョン失地王というと聞いたことくらいはあるような)の御前試合や、そこに現れる何人かの謎の騎士たち。
ノルマン人の傲慢に歯軋りするサクソン人、差別を受けるユダヤ人の父娘やら。
上巻の終わりの辺りでお姫様がノルマン人領主に浚われてしまい、助けに行こうとしたらば森の住人である(ヨーロッパではその正体がロビン・フッドだなとわかるようになってるみたい)奇妙な人物に出会ったり、と正直話があっちこっち行ってないかww