「図説 ドイツ古都物語」谷克二/武田和秀

そもそもドイツの統一(というと日本には馴染みの薄い概念ですが、独立のほうがまだ意味わかりやすいよな)というのが1871年、日本で明治維新があったのだという3年後、ということが本の冒頭に載せられているのですが。
要は「ドイツ」の国よりもそれを構成する都市のほうがはるかに古いんだよね。
その中の、概ねバランスよく散らばってるかな? 13の古都を巡る旅の本。


内訳はハイデルブルク、フライブルクブレーメンリューベック、ロストック、ボン、ミュンスター、トリアー、アウグスブルク、レーゲンスブルク、ヴェルツブルク、エアフルト、ポツダム。
で、やっぱり多いなー、と思うのがローマ由来都市でしょうか、まあ、「古都」と銘打たれているのである程度は当然だという気もするのですが、古い由来を持つ学園都市や、ハンザ同盟と様々なつながりのあった都市、ボンってのは確か東西ドイツ時代(というのもそういえばありましたね;)に西ドイツの首都となっていた都市で、なんというか、ライン川よりもフランス寄りだったのでさすがにびっくり。
ライン川ってかつてローマ帝国の国境線と認識されていて、実際、都市の方もフランス人みたいなものだよねー、と言っておられたりするんですが。
(もちろんそれが悪いわけではないですが、さすがに首都としては端すぎない?)
それ以外にも交易都市、ハプスブルク家ゆかりの都市、プロイセンドイツ統一以前のこの地域の一国)のフリードリヒ大王縁の都市、と内容も様々。プロイセンは始めのほうで語られた都市だと完全な悪役で侵略者なのに、あとになるとプロイセン王が慕われたって出てくる辺りがなんだか不思議w ドイツっていろいろなんだなぁ。