「カトリーヌ・ド・メディシス」オルソラ・ネーミ/ヘンリー・ファースト

イングランド女王であるところのエリザベス1世といえば、まあ、現在の英国王室のエリザベス女王(2世)と同名である、というところも手伝って聞いたことくらいはある、多少の足跡に関してなら耳にしたことはあるよ、という人も多いのではないかと思うのですが。
彼女の父親が「離婚したいがために宗教を新設し、カソリックと縁を切り」。
概ね彼女の時世に後のイギリスの大航海時代への準備や心構えが始まり、そもそもヨーロッパ全土で旧教・カソリックvs新教・プロテスタントの宗教対立が高まり、その中でいささか狂信的だったとされているカソリック派のスペイン王が勢力を伸ばし。
そのスペインとネーデルランド(オランダの正式名ですよ)を巡って争い。
(ネーデルランドが同じくプロテスタント系列だったもので、イングランド側にはネーデルランドには領土的な欲望はなかったんですが、なにぶんネーデルランドそのものがフランスとイングランドの近接地という微妙な土地柄なので、イングランド的に強国の支配下にあるのは大変に嬉しくない、というような事情はありました。)
フランスなども国内をプロテスタントカソリックの争いで荒廃しかけ。


というヨーロッパ全体の状況の中、彼女の一代前がプロテスタントの宗教者を多く殺したという彼女の姉「ブラッディ・メアリ」、その前が当人になんら不備はないものの幼君として即位後、夭逝してしまった彼女の弟。
父親の代に宗教改革、祖父の代までがそもそも国内最大の内乱であったばら戦争
ある意味で、エリザベス1世の時代に直接的な経済の発展はなかったよ! ということを言ったところで特にあれですよね、彼女の評価そのものを下げる理由にはならないですよね、ある意味でその、、、あっぱれな話だよね、国土を保全しただけで十分だよな。