「図説 日本鉄道会社の歴史」松平乘昌

“日本鉄道”というのは現在の東北のほうに向かうJRの路線(高崎線宇都宮線でいいんだっけ? 上野に来てたのは他の本で覚えてるんですが、この路線が敷かれた当時はこういう呼び方ほとんどないんですよね)、や、今の東海道線とその路線をつなぐために山手線の原型となった路線などを作った日本最初の私鉄なんですが。
(明治16年開業、ただこれ、創業を考えると少し早いから微妙なんだけど「東京馬車鉄道」というのちの東京市電の原型になった路線が明治15年に開業してはいます。)
なんというのか、鉄道の歴史そのものに興味がある人だとさすがにかなりの存在感なので知らないということはまずないと思うんですが、これそのものがいろいろややこしくてわかりにくい存在ではあるんですよね。
前に読んだ本でも評価や解釈に関して数通りの説を並べて、とやっていたんですが、この本はそういうことはさっくりと抜かして、どういう人物がどのような行動を取り、続いてこんなことが行われ、という状況一辺倒w
ある意味でこれもこれで混乱がなくてわかりやすいというとわかりやすいんですが、難しくはないものの「面白く」もないんですよね、当然。
最初から興味を持って多少なりと前後の時代が頭に入っていると、一部整理されていいんじゃないかな、と思うのですが、あまり詳しい人だと、それほど踏み込んでいるわけでもないので若干物足りない可能性もまたあるのではないかなと。


個人的にはこの内容は私にはちょーっと早まったかな、というのが正直なところなのですが、書かれてること自体は平易なので、まあこれはこれで別に悪くはなかったかな。
両毛鉄道や水戸鉄道、甲武鉄道に関してはもうちょっと詳しく知りたいかも。