「戦中・戦後の鉄道」石井幸孝

そもそも米軍の空襲が関東大震災の時の崩壊のデータを参考にしていたよー、というのはこの本で初めて聞いたんですが、よく考えてみたら(鉄道や住宅が結構関東大震災を契機に変動しているので)確かにそんな感じというか、なんで渋谷新宿なんかの西側の駅がほとんど無事に残ってるのかってのがちょっと不思議だったんですが、そういうことならば納得行くというか、その後の変動は考えに入れなかったんでしょうかね?
正直、納得はしたけどなんのために米軍がそうしたのかはよくわからなかったです。


この本を読んだのはどっちかというと私鉄の戦時統制による半強制の合併や、国家買収路線に関してや不要不急線の認定に関してないかなー、というのが動機だったんですが、まあまあ有名な範囲の話が一つ二つ載ってたくらいでちょっと未消化感。
どっちかというと全く期待してなかったんですが大陸連絡船に関してが短いながらもかなりよくまとまっていて読み込んでいたんですが、どうしてこういう差異がw
他にも近隣で何年までは続けられていたよ、という遠足の類、一旦は天皇御陵参拝などは認められていたんですが戦火が進む中で完全に取りやめになり、旅行の類が完全に認可制というか戦時と非常時以外は一切不可、という状況になっていく過程。
当時の新聞記事があったんですが「むしろ当然、もっと早くからなぜやっていなかったか疑問ですね!」という妙に明るい口調で語り合っているのが、なんというんだろう、後世から見ると酷く不思議な感じでした。
それと、鉄道とは関係ありませんが当時の疎開の風景などもちらほら。
実際の戦時中に関してはどちらかというとエピソードをわりとばらばらに集めた風情だったんですが、うーん、まあ、数多かったから無理もないかって気もしないでも。