「パリ歴史探偵術」宮下志朗

パリの元になったのはセーヌ川の中ほどにあったシテ島という小さな島で、というとどちらかというとむしろパリの地理に詳しい方のほうが「あんな小さな?」と思うような気もするのですが(今でもそこそこ重要な土地なので)、あれは正確には当時のシテ島ではなくて複数の島がつなげられたものだったりするので、要するにもっと小さかったというw
まあ要するに防衛に特化した街だったりもするんだけどね、そう簡単には落とせない。


この本は歴史探索、と銘打ってはいるのですが時代順ではなくて実は地域順、ただ、上で書いてる通りそもそもパリという都市がそのもとの姿からはるかに隔たって繰り返しの拡張を経てきた都市でもあるもので、地域順にしてもそれほどは狂いがないともいう。
シテ島からわりと自然に外に出て、川の両岸に広がって、それから改めて城を作ったあとで城下街と外壁を作ったもののさらなる拡張をしてしまったというか、最終的には外側にぼーんと開かれた都市になってしまいましたとさ(なので防衛機能というものが実は事実上なかったりします、これ知ってると近代の世界大戦の本読んでてなぜか笑えるという、簡単に占領されるけど敵も敵で守りようがないので最初に取り戻しに行くw)。
パリの本を読むと時々書いてあるのですが、パリはフランスの首都でなかった時期は存在するものの、けれど行政の中心をここから動かすことは物理的に出来ず、他国が侵略すればこの地に来る、そこから取り戻そうとする時もこの地に来る、という事実上の中心でなかった時期もないのだとか。
近代、オスマン知事という人物が出てこの都市を大改築してすっきり、とさせて、その後戦争が来ても占領されても開放されても以降の変化がなかったらしいんですが。
うん、なんというか本当にどういう都市なんだろう、一部理屈を超越してないかw