「イギリス・ルネサンスの女たち−華麗なる女の時代」石井美樹子

まあ大雑把にイギリスの歴史を述べると、フランス(とは言っても当時はフランス王家の血統じゃないんだけどね、あとでその家がフランスの王家とも絡みました)からプランタジネットという家がやって参りまして、それがまあ、来歴が来歴だからなのかフランスと揉めている間にばっつり2つに割れてしまいまして赤薔薇のランカスター家と白薔薇のヨーク家と分離してしまいましてね。
そこから薔薇戦争の時代、長い長い内戦へと突入するのですが、そのやたらと血脈が入り乱れてややこしい時代を女性の視点から見たのが前半。


そこに現れた血塗られた(親族殺しの)チューダー家の2代目であるヘンリー8世、まあ、新しく結婚するためにローマンカソリックから分離、英国国教会とか独自に立ち上げた破天荒な人物が先に絶賛し、のちに処刑してしまったトマス・モアという人物がいまして。
この彼がどうもそもそものイギリスの女子教育そのものを作り上げ、彼の娘さんも教育史の中で特別な地位の人物のようなのですが。
そのトマス・モアの教育を受けた一人が後のエリザベス1世やその姉のメアリに教育を施してくれた先のヘンリー8世の王妃だったキャサリン王妃(数少ない生き延びた王妃というか、王妃の地位のままだと唯一生き延びた方とも言えるのかな;)。
よくよく考えてみると、そんなぎりぎりの時代に娘の教育をしなかったヘンリー8世のことを責めるのもさすがに違うんですが、あとでエリザベス1世を残して彼の直系が途絶えたことを考えるとよくぞやってくれたキャサリン王妃とトマス・モア! としか言い様がない気がします、うっわ、かなりやばかった気が…。
本の中ではエリザベス1世が絶賛されてるんですが、私は別の人たち褒めたいですw