「五反田駅はなぜあんなに高いところにあるのか-東京周辺 鉄道おもしろ案内」長谷川裕

いや悪いとは言わないけど、いくらなんでもタイトル長ww というのが正直なところなんですが、このタイトルにある池上電気鉄道(今の東急路線の一つですね、買収されました)の路線がなぜか山手線より高いところにある、というところから始まる大雑把な経営の状況と、その時点での池上と東急系路線の位置がざっくりとまとめられていてわかりやすかったです、なんというか、読み込んでればわかる内容は他にもあるんですが、ちょっと真剣に読んでる暇ないから、と結果しか把握してない方のが多いんじゃないのかな。
ある程度詳しい方だと路線火事と事故の話(どの事故でどの対策が取られ、どの事故でそれが仇になったかがこれも順番にまとまってる)以降の技術の話のが面白いかも。
各時代の主要と言われてる車両の話はやっぱりどこでも見れるんだけど「関東私鉄は重いの走らせるレール整備してなくてね」という点から始めて、なので拘った部分がここになるよ、と語っていたり。地下鉄の廃熱に関してもあれ、冷房化の説明だと普通屋根に乗せられる薄型クーラーとか省電力とかのほうを語ってるのを今まで見てきたんですが。
この方が語ってるのは地下鉄トンネルの廃熱を減らすよ、という大前提のブレーキシステムの話という、…そういや営団が全部熱心に開発してるのは単に事実だったな。
(ブレーキというか熱効率の話ですね、無駄なく動力源として使い切るとその分だけ無駄な廃熱がされないというのも当たり前の話です。)


歴史なんかはちょい甘いかな、と思う部分もありましたが、私がそっちのが得意分野だからという程度の話で、まあわりと一般的に言われてる範囲内じゃないかな。
個人的には興味深かったのは事故の話かな、ああ、こういう順序でこんな規模で起こっていたのか、という点はほとんど疑う余地もないしね。軽いわりにいい本でした。