『現代南アジアの政治’12』#4 インド民主主義の担い手

インドは今までにも何度か触れられているように「世界最大の民主主義国」(人口)と言われており、実際今まで15回の総選挙を経ており、手続き上は完全な民主主義国であるといえるのだけれど、果たして実態はどうかな、と言われて正直なところ、独裁主義的なところや財閥重視だったりするのかなー、と思ってたんですが、ちょっと違うみたいでw

なんでも“結社なき民主主義”ってことが言われてるみたいですね。

例に出てきたのが西ベンガル州議会選挙だったんですが、かつて左翼戦線が強かった土地に全印草の根会議派+インド国民会議派が台頭、つい最近の2011年の議会選挙により34年ぶりに政権交代が行われましたが、この右派政党はあくまで地方政党でしかなく、全国政党である政党は各地方の意向を汲めない、というかなり大きな問題が。

 

もともとインド国民会議派(与党)が左派で政教分離世俗主義

第2政党である野党・インド人民党は右派でヒンズー教を基盤に国作りをしたい、という方針という違いがあるんですが、まずこの関係を踏まえて。

第1期が独立から60年代終わり頃まで「会議派システム」。

コンセンサス政党(インド国民会議派)と圧力政党(野党)との関係。

第2期が70年代から80年代終わり頃まで「会議派-野党システム」。

前の時期との違いは野党が熟成し、一つの集団になったって感じかな?

現在は「競合的多党制」という状態で、要するに全国政党である与党と最大野党が両者25%くらいの得票率しかないのでお互い連立が常態に、それぞれの地方を制してる政党は全国的な問題に関われる力量がない…、ありゃー、結構根深い問題だよねこれ。

ただ、民主主義じゃないぞって言われると確かに違う気が、構造的な問題なんですね。