『現代南アジアの政治’12』#11 パキスタン軍と印パの核問題

インドとパキスタンの核問題というと、日本でも一時だいぶ騒がれていた印象があるのですが(アメリカが主に仲介を担当するせいですね、これ)、それからだいぶ経って、というよりほんの数年前に「今のインドの大国としての地位は核兵器のおかげ!」と豪語してらして、なんでしょうね、正直切なくなってしまったんですが。

あれ、全てをそれで説明するのは間違ってるんだと思うんですが、全く違うってわけでもないのかな、と別口の話を聞きながら考えてしまうんですが。

 

パキスタンはもともとイギリス領の中でもどちらかというと後進地域だったため、エリート層がムハージル(ムルド語)と呼ばれるインド領域からの移民者で、これが一般民衆との言語の違いからなかなか上手くいかず。

インドの10分の1程度の国力でインドの半分の軍事力を持つ、という関係もあってどうしても軍政のほうが安定するという少し独自の国家体制。

インドが冷戦終了と旧ソ連の崩壊によって心強い同盟者を失い、中国の脅威に対して核兵器を配備し、それに対してパキスタンも核兵器を開発、したものの、インドのような正規のルートでの開発が出来ず、裏取引や横流れ品を使っていたためだいぶ扱いが違った、というのはちょっと始めて聞きました。ただ、パキスタンの国情から聞くと無理もないかなぁ。

1998年の核保有以降の印パ関係は一応安定してる、と言えるものの米ソ間の冷戦とはだいぶ条件が違い。核の均衡とは言い難いとか。

対アフガン問題で今のオバマ米大統領になってから実行されたアフパク作戦が「アフガンとパキスタンを同一で扱う」という乱暴極まりないことやってたらしいんですが、わからんでもなく…、逆にその時期にインド間の関係が安定してるのも偶然ではないのかなぁ。