「鉄道ひとつばなし」原武史

地名と関係ない駅名として京王線の“聖蹟桜ヶ丘”が挙げられていて、当然改名すべきケース、と言われてびっくりしたんですが、え、正直この手の話って普通は宅地販売の改名が出てくるもんだと思ってたんですが、そもそも改名すべきって主張しておいて土地の意向が丸無視されてる時点で違和感あったなぁ…。あー、世代からしてあっち系のお人かな。

よく見る、現地名ではない旧地名が駅に残ってる話なんかもなぜかなかったんですよね。

「新」で駅名を別けるケース、「口」もしくは「西口」などで別けるケース、「谷」をどう読むかなどを延々と語っていたので出てきて自然な気もするんですけどね。

 

鉄道マニアとの関わり自体はどうも小学校入学前以前に終わってしまい、その後は宮脇俊三さんなどの一部の例外(まあ上品な人ですね)を除いて鉄道マニアとの関わりをしてこなかったんじゃないかな、というのが大雑把な雑感でまあそれ自体は気持ちはわかる。

ただ、この方自体も多少ベクトルは違うながらやっぱり鼻に付くんだよなw

(なんか独特の田舎に対しての郷愁語ってるんだけど、ぶっちゃけ視点が都会民。)

とはいえ、型がどうの技術がどうの! という話が存在しなかったので、マニアにとってはともかく、鉄道趣味がない人にとってはこっちのが読みやすいのは事実だよね。

阪急の小林一三氏と東急の五島慶太氏の違いを語っていたところとか、短かったけどかなり面白かったです、あー、五島氏鉄道省畑ってのは聞いてたんですが、補助金漬けだったのか…。小林さんはあれですね、有名な官僚嫌い、この時点でかなり違うな。

あと、本全体に散らばっていた京王線多摩御陵に路線を通すことで、神社の参道を分断した、という事情ってどうなんだろうなぁ、笑い飛ばすには時期的な辻褄は合ってるし、これだけで断言するにはピースが全然足りないし、といったところでしょうか。迷うよね。