「鉄道が変えた社寺参詣-初詣は鉄道とともに生まれ育った」交通新聞社新書049、平山昇

そもそもこの本を読むに当たって「明治以前は初詣なんかなかった」という事実にまずぶち当たらなければならなかったんですが、正直順番に言われてみれば当然のことで、年末から年始に掛けての1日2日(終夜運転がされるようになったのもまた結構時間が経ってからのようです、神社の側もそう簡単に用意出来ないわな;)の隙間で参拝なんてことは、そもそも鉄道がなければ物理的に無理だろ、と言われればその通りですね!

今でもわりと人気のある成田詣でや、川崎大師などは気楽なお参り自体はそれ以前の時代からあったものの、初詣に関しても、ということになるとやっぱり近代以降の話のようです、特に川崎大師が非常に突出した隆盛を見せているんですが、正直、これはなぜだったか完全にはわかってないみたいですね。「恵方参り」というその年の縁起の良い土地に5年の周期の中で2度当たること、日本で初めての鉄道で都心部から来れること、ついでの郊外巡りが出来ること、などなど、いろいろ有利な事情もあるにはあるんですけどね。

そういやもともと1月21日(旧暦だっけこれ?)に最大の参詣の日があることも、多少は関係あるのかもなぁ、ちょっと不思議ですね。

 

この地に走った今でいう京浜急行線も、正直この川崎大師の人気よりも時代があとなんですよね、で、私鉄が走ったことにより、近隣の神社との直接のアクセスやセット参拝の勧め、官鉄との競争によって人気が増し、成田詣でなども同じような展開を辿ったようです、こちらは総武鉄道と成田鉄道で第1戦、両者国有化ののちに京成が登場して再戦開始ww

関西や仙台などでも似たような展開が繰り広げられたんですが、だいたい国有化されて終わってるんですね、かなり遅く登場した阪神は、なんかもう桁が違って、神社側からアプローチしてましたが、この人の鉄道の本はまた是非読みたいです、すっごい面白かった!