「国道の謎」松波成行

国道の謎 (祥伝社新書 160)

国道の謎 (祥伝社新書 160)

国道20号線(甲州街道としか呼ばないですが)を生活の一部にしているもので、まあそこまで重要ではないにしろ結構番号早いし、国道の本である程度は載っているかなぁ、と思って手に取ったのがこの本だったのですがとりあえず最初に語られてるのは「階段国道」でした、ていうか、さすがに生活に直結するものを取扱っている分もあってわからない説明はほとんど存在しなかったんですが、車で往来することが不可能な場所に国道表示があることでむしろ階段国道よりも価値が高まって、みたいなことさらっと話されても知らないよ?!

いやうん、いいんです、マニア向けのムックならいいんですけど新書です、ていうかタイトルに“国道”と入ってる唯一の新書です、なぜマニア向けなのですか。正直、明治国道大正国道、昭和国道と滑らかに説明していく語り口調のわかりやすさも、どの国道がどの時点で今の形になったのかをはっきり把握しているところも、その前後に起こっていた大臣の動向にも触れていてとてもとてもいい内容だと思うんですよなぜマニア! 惜しい!!

あ、いや、マニア向けであっちゃならんということではないんですが、もう少し国道についての初歩的な内容を先にしてくれたらありがたかったな、というのが正直なところです、私は読めるけど私は読めるけど、挫折する人いるよこれ、絶対。いい内容なんだよ…。

 

国道に欠番が存在し、重要度順でだいたいの番号割り振りがわかること、岩国空港(米軍所属だった)につながる国道の話や、沖縄に存在する戦闘中に米軍に作られたと見られるロータリーや、暫定的に階段や民家を国道にするしかなかった話や、海上の航路を国道に見立てた話など知らないこと目白押しのわりにはわりとわかりやすく説明されてました。

ただやっぱり、たまに拘りがよくわからないよ…、戦前に有料道路を認めない建て前とか予算の話とか、本当に面白い内容だったのでどうか同じ方にもう少し初歩本を…。