「高尾山にトンネルは似合わない-千年の森と高速道路」辰濃和男

東京という都市が拡大しているのは“グリーン・ベルト”の設置も行わず、拡大を阻止するための方策を取らなかったためであって自業自得、都心部の交通の補佐のために今から圏央道などを作ったところで首都圏の拡大が起こるだけで泥沼だ、ということが本の最初のほうでざくっと述べられていまして、正直個人的にはこちらの方向をもう少し突き詰めた上で高尾山という結論に至って欲しかったような気もするのですが。

ただまあ、そういう文脈と高尾の地ってあんまり関係ないような気はしないでもない。

あれですね、異様にアクセスが便利で実際昔から登山者数世界一で(私が見た記録だと260万人でしたw)、という環境のわりに意味がわからないくらい自然が残ってるというか、人間の支配する土地じゃないんたよなぁ、あそこ、なんか。

本の中で出てきたJR中央線と併走している中央自動車道ってのが一応山道から垣間見えるところがあったんですが、あまりの異世界っぷりに立ち尽くしましたね、あんなのがまた来たら嫌だよなぁぁ、と思うのがどっちかというと当たり前だよなぁ。

(繰り返しますが都心からのアクセスはなんの不自由もないし、だから中央自動車道とあと甲州街道があってね、鉄道が京王線とJR中央線、もういいわな!)

 

多分これ自体は環境というものをどうするのか、という最終的にはそういう大きな話でしかないのではないかと思うのですが、もし高尾山に地下水なりなんなりでなにか影響があって、この異様に有数な観光資源になんかあったら経済的な意味でも結構な痛手がw

グリーンベルト構想は高度経済成長期の中で完膚なきまでに叩き潰されましたが、好況なんもバブルももう日本には来ないだろうに懲りなかったんかなぁ。

あと若干、祟られないかっていうw 千年来の聖地だから馬鹿にならないよ。