「地下秘密工場-中島飛行機浅川工場」斉藤勉

浅川というのは今のJR中央線の高尾駅がもともと浅川駅という名前で、その隣の京王高尾線の高尾山口駅の辺り、というと土地勘のある人だとだいたいの場所がわかるのではないかと思うのだけれども、高尾線がちょうどそのトンネル(現在は廃墟)を囲むようにして走り、敷地に横付けするように高尾山口駅があるよ、と言われると逆に意味がわからない。

要するに高尾山のほとんど入り口の辺りということだろうか、なんだその立地…。

 

秘密工場とはいえ近隣の学校の生徒が各種鉄道を乗り継いで通勤し、それ以前からも陸軍、強制連行の朝鮮人工夫、やっぱり学徒動員の作業員が関わり、地主から半強制的に土地を巻き上げていた関係で恨みも残り、ということで、多分今の人のイメージとは違うんじゃないですかね、米軍の調査団は「工場移転の前までは情報あったんだけど」と言っていたようなので見事に目晦ましにはなったようですね。

ただ、浅川は八王子と地続きと見られてたので結局よく空襲に遭ってたんですけどね。

(八王子はややこしいんですが鉄道で東京と有機的につながった都市? わからん、なんかやたらと空襲の目標になっていたのは一応近い土地に住んでるので聞いてます。)

この“秘密トンネル”はもともと陸軍の施設として作られ、たものの目的不明、中島飛行機の移転計画が出来たよりは後なので最初から工場の予定ではないようなんですが、同時期に作られた陸軍地下施設の中で一番初期に作り始められ、実際同時平行で工事してたところに陸軍本営を移転する計画があったらしいので重要施設だろうと思うんですが。

本営の移転予定地だったって噂のほうがまだしもだよね、なんでこれ全く不明なんだ?

地元の方が事実のみを、ということで書かれたのでいろいろと事態が途切れてるんですが、それが生々しいって言えば言えるかなぁ。なんだったんだろうね、ここ。