「雲をつかむ死」エルキュール・ポアロ10、アガサ・クリスティ

雲をつかむ死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

雲をつかむ死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 親切がどういうレベルをはるかに越えて、ぶっちゃけてお節介じゃないかと思うんですがそこのところどうなんでしょうか、ポアロさん。しかしまあ、男と引き離すのに別の男を利用するというのは押し付けがましくなくて理に適ってる気はします。

いくら彼女が賢くても、ある時点までは意図に気付かなかったと思います。

誰が殺人事件の真っ最中に若者の恋路の世話を焼いてると思うんでしょう。

ていうか殺人事件を他人の色恋沙汰に利用するってどういうことだよこの探偵!!

それがわかるのはきっとシリーズを読み進めてきた読者くらいなんじゃないかと思います、ヘイスティングさんは位置的に気付いてもいいかもですが、むしろ真っ先にお節介受けてた側なので難しいかもしれませぬ(彼の頭が鈍いのもあるけどそれだけでもなく)。

それにしてもこの人自身はなんでこんなに男女の機微に詳しいんでしょうね?

 

すみません、わりといつもそうだけどこの本あんまり露骨だったんで...orz

 

飛行機の中で一人の御婦人が亡くなり、側には黒と黄の布の付いた針が落ちておりまして。

蜂が飛んでたので一時は蜂に刺されたかとも思われてたんですけどね。

ポアロさんの座席の後ろに吹き矢筒、いくらなんでも飛行機には外部から乗り込めないのでそこにいた乗客11人と、添乗員2人の中に犯人がいるとしか思われないわけですが(毒は速攻性で入った傷口は首の後ろ)。吹き矢なんて構えたらフツー誰かの目に入るわい! とか、毒の種類がかなり珍しいとか、そんなこんなで捜査は難航致しました。

外国人(ベルギー人)の座席の後ろから吹き筒出てきたからとポアロさんを犯人にしようとした陪審員はいくらなんでも短絡過ぎてどうかと思われます。英国人め!