「ひらいたトランプ」エルキュール・ポアロ13、アガサ・クリスティ

ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

4人の殺人犯が出てくるよん、ということが本篇の前にまで宣伝される本。

どの人が殺人犯かなー、ということを迷う余地が始まってしばらくしかなかったのがちょっと残念です。というか「一番疑わしくない人間が犯人」という法則は単にそのほうが話がわかりやすいからではないのかと思うんですが、わかりやすいというか盛り上げやすいというか、クリスティさんがそんな定番いつもやってたら評価されてないよね。

 

殺人コレクションをお見せしますよ、と人界の悪魔(と周囲に思われてる人物)に声を掛けられて、大丈夫かなー、と心配していたポアロさん。コレクションと言っても身の回りの品なんぞではなく、ぶっちゃけて殺人者本人だそーです。うわぉ。

しかしパーティの客はなんか8人おり、さてどれかしら?

と思ってたらブリッジというゲームで半々に別けられてしまいまして、なんか片方の組が探偵・警察・諜報員・推理作家という面子。となるともう半分かー、というちょっと面白い構図、オリヴァ夫人が張り切っちゃって単なる作家さんなんだけど女同士の噂話を聞きだしてくるくらいならいいですよ、と許可もらって参加。

バトル警視という人も他の本でも出てくる模様ですね、鋭さを秘めた人です。

 

でも正直、過去の犯罪で証明可能なのはないよなぁ、と思うわけで。

殺人の契機になったから調べたわけだけど、この世の悪魔が油断したのもわからんでもないんですよねぇ。なぜか今回は、ポアロさんは被害者に同情ばかりしてました。

ある意味で、罪は人の心の中にこそあるんだという話の一つかもしれません。

ゲームとの関りが結構面白かったです、すみません、ゲーム描写は読み飛ばしたけど;