「物流がわかる」角井亮一

物流がわかる (日経文庫)

物流がわかる (日経文庫)

 

 

もともと図書館の新刊案内のところにこのタイトルが並んでいて、よく考えてみたら私が読みたかったのは「流通」だったと思うのですが(小売とかその辺)、これもこれで関わってくるからまあいいのかな、とあとで納得。

非常に「物流」に関しての拘りが強い著者さんで、物流部門こと企業コンセプトを一番理解していなければならない、とか(速さを武器にするか正確さに拘るか、コストを気にしていなくても顧客満足を最優先にしているのならばあり、と言ってる辺り柔軟かなと)、大きな企業ですらコスト計算をちゃんとしていないとか。

あれですね、昔はメーカー側が担当していたものが今は小売側が管理するほうが効率的であるという流れになっているのだとか、まあ全体的にそんな内容。

わりと出版元の特徴なのか例に対しての企業名がはっきりと明記されているので、読んでてどこのことかわかりやすいのがいいですね。とりあえず「速さを優先、正確さは二の次」と「速いよりも遅いよりも正確な時間に丁寧に届ける」は宅配業界の2強の佐川と黒猫ヤマトのことだよね、すっかりこのイメージも素人にも定着してるからなぁ。

で、昔はどの宅配会社がもっと地域に強い弱い、というのがあったらしいのですが、今はほとんど全国規模になって一度にまとめて頼むことが可能になったとか、いろいろな業界でいんな進化してるんだなぁ、やっぱり。

 

返品をいくらしてもいい、という靴の通販、これは採算性の問題ではなく、そもそも通販だと靴は成立しないというところをぶち破るための方法だったとか。文具のアスクルが自社展開をして、今では御用聞きも出来るようになってるとか。

自分の業態、企業カラーにあった物流があるよ、というのが著者さんの持論かな。