「ポアロのクリスマス」エルキュール・ポアロ17、アガサ・クリスティ

ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 どうもやたらと冒頭から読みづらく、これは訳のせいなのかそれとも構成のためなのか、ずっと迷ってたんですが。そっかー、幻惑さすこと自体が目的じゃしょうがないか。

まあ中盤くらいからは全く問題なくなりますが。

なんかこう妙に、長兄アルフレッドさんとハリーさんの喧嘩に注目しちゃったんですが。

ろくでなしばかりが揃ってるというより、そう育てたってほうが正しいんじゃないかと。いや、犯罪などが起こった時に親の育て方が、という言い方をすること自体はちょっとどうかと思うクチなんですが。

さすがにこの家庭の場合は環境が悪いと表現するしかない。

 

しかし奥方たちが揃ってあれですな、水準より上ですな。

駄目な男には(悪気とかは皆ないですよ)しっかりした女が付くものなのか。

とある大金持ちが自分の、まあ見事にばらんばらんになった子どもたちをとあるクリスマスに呼び集めました。確かにこの子どもたちの人数で孫が一人ってのは珍しいね。

(でも単に家庭に懲りてるか怯えてるって気もしないでもない。)

この大金持ちは性格が悪いというか、家族を呼び集めてお互いの不和の引き金を万遍なく煽るということを娯楽として行い、そしてちょーっと匙加減を間違えたものなのか、ざっくりと喉ぶち切られて亡くなりました。

部屋は荒らされまくりで血塗れで、異様な血糊がべったりという陰惨な様子。

 

てか、お前かよ、お前なのかよ?!

見事に騙されました、いや真面目にすごい偽装工作だわこれ、そうきたか。