「首都高速の謎」清水草一

首都高速の謎 (扶桑社新書)

首都高速の謎 (扶桑社新書)

 

 

首都高速4号線、だいたい根元の付近に住んでおりまして、文章の中でも自分の住む地名や近隣が出てきたりもしてたんですが(ICが幾つかありますね)、大雑把に子どもの頃は夕方になると窓を閉め切って身体を丸めて咳き込んでいたような生活をしていました。まあどこにも逃げようがないもので。

最近は正直だいぶマシになりました、首都高の下も長いこと歩いても平気だし。

 

で、そういう大前提に立つと時々後ろから思い切り殴り倒したくなるような面は多々ありましたが、首都高の歴史の話、そもそも過密都市であるからこそ作られたというコンセプトや、戦後の世界銀行からの借款の話、計画が縮小させられたのではないかという噂について、進まない外環道やネックとなる地点についての話など、概ねわかりやすくて面白かったと思います、ただまあ、日本橋ってどこが美観?(首都高が上に来てる構造、建て替え計画出来てるんですよね、確か) そんなもの信じてる人間なんてこの世に存在しないでしょうねなどと言われても…。なんだろう、利権かなにかと思ってるんでしょうかね。

個人的には他は許せても日本橋だけは駄目だ、あれだけはありえないって意見のほうを延々と見てきたので、なにを言っているのかがよくわからない。

わりと全体的にそんな調子でした、高速道路や交通関係に関してはどちらの立場に立つこともなく公平公正。自然渋滞の出来る理由改善された部分、進む民営化と改善案などなど、山手トンネルが出来て「まとも」になったからこそ、時間差がなくなって同じ時間に帰宅し始めた車がいっせいに同じ地点に到達する渋滞の変化など特に面白かったです。

値下げではなく乗り降り自由にする料金システムの改善、時間帯割りなど、内部の改善の話も良かったんだけどね。まあでもやっぱり、首都高とっとと沈んで欲しいですね心から。