『私の嫌いな探偵』#6

正直私、この回が面白かったのかそうでないのかすごく困るんですが(毎回困るけど)、なんだろう、おじいさんが見付かって、その身体がよいしょ、と持ち上げられて、それが硬い音でごんっ、と響いたところはなんだろう、悲しかったなぁ。

あと、登場人物たちの誰も指摘しなかったんだけど、すごく大きくて立派な家の中で、一つだけ小さな部屋で畳敷きで、そこに煎餅布団が敷いてあって、その脇に犬のためのいろんなものが転がっててっていう光景も、なんだか思い出すとすごく悲しい。

 

この話は、消えたビールケース(いや実際、7個同時にって乗用車でも無理だと思うし、持って歩くと目立つし、あんまり普通の出来事ではないと思うよ?)、酔っ払いによって割られた窓、ひき逃げされた老人と行方不明になってしまった別の老人が、という出来事が本当に狭い区画の中で一晩に起きた、という展開だったんですが、正直なところどれも大したことじゃないんだよね。

なんかあるよなあ、というお嬢様の言葉がなんとなく空々しく響く。

そしてすごくぶっちゃけ、ドラマのオリジナル展開を入れるにしてもあんまり引き伸ばせなかったらしく、なんか無駄な描写が入る入る。なんというのかねー、あー、こりゃ引き伸ばしだな、と見てる最中に感じるくらい露骨ではあったんですが、ただこれ、多分なんだけどたった一人の家族である犬を探すおじいさんのことだけはあんまり茶化したくなかったんじゃないのかなぁ、と考えてしまうとなんかそれもね、わからないでもないんだよね。

ていうか、この回、助手に納まった兄ちゃんが犬探しにひたすら駈けずり回っていたんですが、いつの間にかちゃっかり探偵が追い返した依頼人の犬も引き受けてたらしくて、あー、馬鹿馬鹿しかったけど、なんだろう、いい話だった気がする。ううん。