『王子電気軌道株式會社二十五年史』王子電気軌道

王子電気軌道というのはそもそも現在の都電の荒川線に相当する路線を作ったかつての私鉄で、東京市電が発足したのと同じ年に開業(なので2012年に同時に百周年ww)(開業以前にも約5年ほどの歳月が掛かってますが)、戦時統制の頃に市電の一員になりまして、そもそも唯一廃線にならなかった理由が「バス転換が無理」というわりと無茶な土地に作られた路線だったりしますが、あんまり触れられてなかったですね、というか、電燈(家庭配電)や電力(業務用かな?)などを副業にしてたのは知ってはいたんですがほとんどそっちのことばっかり語られてた気がします。

というか、本文の中で所有車両に関して触れてないw 経営には関係ないけども。

あと、「車庫」が大正13年まで記録がなく、別の施設名かなとは思うものの、そもそも王子の辺りで路線が分断されていたので(国営路線に分断されていて高架になるまで乗客が歩いて渡ってたそうです)、車庫どうしてたんだろうとか専門家にも言われてたのも見たことありますが、この辺がどうも謎だよな…。

 

それと詳しかったのが株主や資本家とのつながりでしょうか、神戸鈴木商会とか東京森村銀行とかだとあれま、京王電気軌道と同じ面子だよねこれ。

で、初期は別の電力会社からの配電を受けてるんですが東京電力(戦前の私企業です、ここで後の現在の「東京電力」とも関わる松永安左エ門氏とのご縁が)から人が送り込まれてきて、結局東京電力が東京電燈と合併。東京電燈の小林一三氏がここで大株主に、てか安田財閥安田善次郎なんかも大株主にいますね。他にもぽちぽち見る名前が。

どちらかというと方針を語る、というよりは自社内の状況を説明するって感じの内容かなという気も。結構株主が多彩だったり入れ替わってたりするせいかなぁ?