「京王電鉄まるごと探見-100年の歴史・車」村松功

昔、この本でも扱われていたバブル期に不動産事業に手を出さず、という下りを読んだことがあるのですが(まあ京王関係これで…まだ10冊はいってないっけ?)、なんでも社有地の半端な土地を好景気を利用してちまちま処分していたら気付いたら好景気終わってたみたいな、ことが書かれていまして、正直本当かよ、と思わないでもないんですが、どちらかというと「バブル経済の破綻を予期して」と言われるよりも釈然とするものはあります。

もともと財テクなんてものに興味がある気がしないんだ、なんていうかね!

 

路面電車から出発して車体は14mの中でも小型、戦後標準軌仕様の台車になった、ということが言われてたんですが、あれ多分、普通私鉄に転換したからだと思います(いやだからそれ以前の車両メーカー使えなくてだいぶ苦労したみたいだし)。

あとどうも複々線は仙川までになるみたいです、ちょうどこの本読んでる頃に高架化が発表されまして、複々線も目指してるよ、みたいなことが言われてたんですが、うん多分あれ、土地がそのくらいあったら、という希望予測みたいな感じだと思います。井の頭線は戦後はともかく今はそこまで重要でもない、とか言われてましたが、沿線民的には余計なお世話だ、というのが素直な気持ちです、一つの土地だけじゃないほうが楽しいじゃないか。

などなどの解釈の別れるだろうところは置いておいて、戦後までの歴史部分に関しての記述はほとんど社史がアテにならない関係上(本社が何度か燃えてます)、ほぼ独自で調べた、ということを考えるとかなりの精度だよなぁこれ。特に関東大震災の頃、市内から瓦礫の運び出していたのは話にだけは聞いていたんですが、そもそも東京市側から申し出されて、などの細かい事情は初めて知りました。

車両の歴史も、井の頭線車両も詳しいのが嬉しかったです、へー、内装凝ってたんだなあ。