「乗ろうよ!ローカル線-貴重な資産を未来に伝えるために」交通新聞社新書014、浅井康次

 

なんだか改めて見てみるとずいぶん明るい感じのタイトルですが、もともと行政に関わる身分の方でもとは廃止側に加担する人間で、ただ、実地で回っているうちに少しずつ意見を変えていったんだよ、ということだったので本そのものもクールな部分があり、若干感傷的な部分があり、でだいぶ入りやすい内容だったのではないかと思います。
(正直、交通新聞社新書ってマニア向けの内容のことが少なくはないしね。)
大雑把に言えば日本の地方私鉄(大手や都市間周辺の中小私鉄など一部は除いて)のほとんどは赤字であり、近くにあるJRの路線も状況はあまり変わらず、赤字路線の再生を図るために第三セクター化してもそれでも目減りしていく、という状況ではあるようです。
まあ、やらんよりはマシって判断でいいんじゃないかなぁ、結構日常的にも名前聞くところもありますよね、三陸鉄道とか、いわて銀河鉄道…だっけ? IRGとかなんかちょっと変わった略称だったような、あ、IGRか(なんか商標が存在してたとかなんとかw)。

 

シビアな部分だと、バス交通やマイカー使用に勝てないラインに鉄道の利便性が落ち込んだら存続はそろそろ怪しい、だとか、バスで採算取れてない地域でLRT(新型路面電車)で採算取れるというのは甘い試算ではないかなどなどですね。
正直、バス輸送が限界に達して行き詰ってるような地域でこそ路面電車、と思うのですが、場所がないんだっけ、うううん、なんか前提部分がおかしいな…。
そもそも海外では鉄道を独立採算制のものとは位置付けずに、都市整備の一環としているような土地が多いとも聞いているのですが、日本でそれを行おうとすると財源はどこになるのだという話にもなりますね。せめても、ローカル線を残すことくらいはしてもいいんじゃないか、ということになるんでしょうか、全体的に後ろ向きだよなぁ、やっぱり。