「3軸貨車の誕生と終焉 戦前編」RM LIBRARY-8、吉岡心平

3軸貨車の誕生と終焉 戦前編 (RM LIBRARY(8))

3軸貨車の誕生と終焉 戦前編 (RM LIBRARY(8))

 

 

延々とタンク車の写真のみが出てきていたので、タンク車の中でさらに3軸車両のみを扱った本なのかな? と思ったんですが、それ以外の貨物車(無蓋車って言うのかなこれ?)も出て来てはいるのか、まあほとんど戦前編はタンク車です。
戦後編には結構いわゆるコンテナが出てきてるみたいなんですけどね、正直この手(いわゆる貨物輸送系)の本はほとんどこれが始めてと言ってもいいので著者さんがなぜ「3軸」という部分に拘ったのかがわかっていないので、なんとも言えないのですが、そこの部分の変化が大きな一つの傾向を示していたってことだったのかもなぁ。
戦後編読むと少しはわかるかしら、基本的に昭和50年には3軸タンク車の終焉ということになっているようなので、多分そこまで見当違いでもなさそう。

 

戦前編と銘打たれてますが、概ねの内容は昭和47年までで(昭和20年終戦)、特に昭和43年の「ヨンサントウ」と呼ばれる貨物のスピードアップはわりと本の中で大きな比重を占めて、実際のところ、戦前から使ってきたタンク車はほぼそこまで継続使用されてきた節があるのでこの本では妥当な区切りなんでしょうね。
国鉄からの払い下げタンク車も非常に多く、関連企業の社名もころころと変転していくようなのですが、タンク車の転属自体はかなりきちっと把握されており、ほぼ全ての車両が写真で残っているところを見るとそれこそ一大財産だったんだろうね、タンク車。
貨物関係の本はあまり読んだことがなく、同著者さんの無蓋貨物の本を読むついでに、と思っていたんですが、ほとんど詰まらずかなりするする読めたかも。
にしても、スピードアップ基準から貨車やタンク車が規格落ちするって感覚なかったです、運ばれる側にもスピードって関係するんだなぁ。