「地図物語 地図と写真でたどるあの日の銀座-昭和26年から30年代の思い出と出会う」佐藤洋一/武揚堂編集部

あの日の銀座―昭和25年から30年代の思い出と出会う (地図物語)

あの日の銀座―昭和25年から30年代の思い出と出会う (地図物語)

 

 

銀座に関しての本は地味に数を読んでいて、東京の中心地の程近くとして明治の頃から捉えられている土地の一つ(のわりには官庁街やビジネス街とは一線を画してますが、要するに行政やビジネスの中心街から一番近い街という位置付けみたいですね)、今はわかりにくくなっていますがかつては水路を通じて、のちには鉄道を通じて海外からの影響を受けた土地の一つだったのだとか。
(築地と一緒に語られていることもあります、ちょっと古い本読まないと駄目かも。)

 

というところがこの本で語られているわけではなくて、その次の時代から、官庁街にも近いのに2年に一度の火災のために半ば強制的に煉瓦街に変えられ、当時の人々には実は不評で、結果的にどこか変わった業種が集まったこと。
それが例えば出版社だったり、関東大震災のあとに増加した百貨店だったり、新興文化と外来の文化が合流したところに全く新しい街が作られていったのが銀座なのかな、とぼんやりと理解しているのですが、その銀座もすでに古くなって今は特別な街であるのか、いやそうではないのか、という問いに晒されているという部分が主に描かれていたのかなぁと。
まだプレミア感は残ってはいるものの、そこまで特別な印象はないですかも。
昭和25年の火災保険特殊地図には、戦後の占領軍の痕跡がそこここに残されていて百貨店も劇場も映画館も混在していて、小さな出版社がたくさんあって、橋は幾つも埋め立てられたけれどまだ銀座の外と内をつなぐように残っていて、裏路地の話なんかも出てきたりします、都電の系統もこれ全部で幾つあるんだろw
都電の廃止を最も訴えたのが確か銀座で、汚いもの全部排除してしまったんでしょうか、いや、裏路地はどうしたって消せないか。